今回は、「糖尿病の原因について」です!
ある本を読んで、糖尿病について無性に書きたくなったので書きます。笑
長文になっていますが、かなり本質的なところを書きました。
糖尿病についての原因や治療について、疑問をお持ちの方はぜひ読んで頂けたら嬉しいです!
糖尿病が増え続けている理由、治らない理由が理解できると思います。
糖尿病患者の推移
まず、糖尿病患者は爆発的に増えています。
しかも若い年代でもかなり増えています。
下の図を見たら一目瞭然ですね。
糖尿病患者は、年々増えていき2017年の調査では328万人です。
糖尿病予備軍も合わせたら1000万人を余裕で超えます。

厚生省患者調査からみた糖尿病患者の受療率(人口 10 万対)の推定
糖尿病は治らない?
そして糖尿病は治らない病気として
一生付き合っていくことを医者から宣告されます。
不思議だと思いませんか?
糖尿病になるには、明らかに原因があるはずです。
その原因を取り除けば、改善すると思いませんか?
しかし、「糖尿病が治った」ってあまり聞かないですよね。
それは、現代の環境や食習慣による影響や、個別的な代謝を改善させるアプローチができていないからですね。
現在の糖尿病治療では、残念ですが治ることは難しいと思います。
糖尿病を治すためには、
代謝能力に合わせた個別的なアプローチと、
患者自身にある程度の栄養の知識が必要です。
糖尿病の原因とは
糖尿病では、
「インスリン抵抗性」
「インスリン分泌量低下」
が起こります。
これは世間一般的には、
糖質(甘いもの)をたくさん摂ることで、インスリンを出す膵臓が疲弊し、インスリンの効きが悪くなったり、分泌量が下がると思っている人が多いと思います。
しかし、これは全く違います。昔はこのように言われていましたが、原因は「糖質」ではありません。
インスリン抵抗性について
「インスリン抵抗性」については、ランドルサイクルで説明できます。

Am J Physiol Endocrinol Metab. 2009 Sep; 297(3): E578–E591.
「炭水化物=糖」が燃えている人は、「脂質」が燃えにくく、
「脂質」が燃えている人は、「炭水化物=糖」が燃えにくくなります。
このように、糖と脂質の「シーソー関係」をランドルサイクルと言います。
図を見ると、glucose(グルコース:糖)の代謝を、citrate(クエン酸)がHK(ヘキソキナーゼ)とPFK-1(ホスホフル クトキナーゼ-1)をブロックし、Acytyl-COA(アセチルCOA)がPDH(ピルビン酸脱水素酵素)をブロックし、糖の代謝を止めます。
脂質の摂取量が多く、普段から脂質を燃やしている人は糖が入ってきてもブロックされて代謝が進んでいきません。
そのため、細胞内に入れずに血液中に糖が溜まってしまい血糖値が上昇します。

P(タンパク質)C(炭水化物)F(脂質)
日本人は脂肪の摂取量が徐々に増えており、「脂肪過多」の食事を摂っています。

そして植物油が急激に増えています。
植物油の脂肪酸組成は、オメガ6が多くなっています。オメガ6は二重結合が2個で、酸化しやすい油です。
植物油(不飽和脂肪酸)は代謝経路にダメージを与えることが様々な研究でわかっています。
「脂質代謝により糖代謝をブロック(ランドルサイクル)」
「酸化しやすい油を摂取することで代謝経路へのダメージ」
この2つが代謝異常を引き起こし、インスリン抵抗性を招きます。
血糖値が上昇したからといって、原因は「糖」ではないことがわかりますね。
インスリン分泌低下について
そして、「インスリンの分泌低下」の原因は、グルカゴンにより影響が大きいです。
糖尿病には、「インスリン抵抗性」「インスリン分泌低下」など、
「インスリン」にスポットライトが当たって治療が勧められてきましたが、最近では、「グルカゴン」による影響が大きいという見解が増えています。
これは私もその通りだと思っています。
詳しくは、「糖尿病はグルカゴンの反乱だった」を読んでください。

グルカゴンによって発現・分泌が制御されているKisspeptinがβ細胞に作用して、インスリン分泌を制御していると研究でわかりました。(Cell Metab. 2014 Apr 1;19(4):667-81)
糖尿病患者ではグルカゴンが過剰に分泌されており、血糖値を上げていることが研究で確認されています。(N Engl J Med. 1970 Jul 16;283(3):109-15)
糖尿病患者はグルカゴンが過剰分泌し、インスリンの分泌量を抑制しているということです。
ではどうして、グルカゴンは過剰分泌してしまうのでしょう?
この本での結論を簡単にいうと、
食物繊維が多く含んだものを食べることで、「GLP-1」の分泌が増加しグルカゴンを抑制させる。現代人は食物繊維の摂取が少ないから「GLP-1」分泌が少なくなり、グルカゴンが過剰に働いてしまう
ということです。
私は、違う結論です。※ここからは私の個人的な考えです
もちろん、GLP-1の分泌が低下することも糖尿病の原因の一つになっている可能性はあると思います。
私の考えは、
グルカゴンが過剰に働き糖新生を促すのは、カラダが脂質代謝となって細胞内に糖が欠乏しているためと考えています。
ヒトは糖を中心に動いています。
糖がないと、エネルギーを効率的に作れませんし、細胞内に酸素を十分に送ることができません。(呼吸商により)
脂質が多い食事だと、脂質代謝となりランドルサイクルによって糖の代謝がブロックされます。
その状態では、「炭水化物=糖」を摂取しても細胞に入っていきません。
糖を摂取しているにも関わらず、細胞に糖が不足している状態になります。
カラダは、
「タンパク質」や「脂質」からメインでエネルギーを作るとデメリットがあること、そして効率が悪いことをわかっています。
カラダは糖でエネルギーを作りたい
→しかし糖を食べても細胞に届かない
→カラダが糖が足りないと判断
→グルカゴンを分泌して糖新生して糖を作る
→高血糖
このような負のスパイラルに陥っていると考えています。
まとめ
血糖値を上げているのは、
「ランドルサイクルによって糖が代謝がブロックされて細胞内に入れない」
「グルカゴンが過剰に働いて、糖新生を促している」
ということです。
その原因は、いずれも
・脂肪の過剰摂取
・酸化しやすい油の摂取
です。
治療についてはまた別記事でお伝えします。
脂質を減らし糖質を増やしていくことが必要ですが、
先ほども説明したように、ランドルサイクルによって糖代謝がブロックされているので、急激に糖を増やすことは高血糖の原因となります。
糖質を正常に代謝させるために、代謝能力によって個別的なアプローチが必要です。
この記事を読んだからといって、治療方法をガラッと変えるのは危険ですのでやめてくださいね。
個人差(代謝能力の差)もありますし、胃腸機能低下によりSIBOやリーキーガットなども絡んでいることがほとんどです。
しっかりと理解のある医療関係者と相談しながら治療を行なってください。
最後までお読みいただきありがとうございました(^ ^)
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